除染費改竄 安藤ハザマ「別の支出付け替え」 下請けに説明(産経新聞)

東京電力福島第1原発事故の除染事業をめぐり、準大手ゼネコン「安藤ハザマ」(東京)が、改竄(かいざん)領収書に基づき宿泊費を不正に取得した疑惑で、改竄領収書の作成に関与した同社社員が、改竄を指示した1次下請け会社幹部に対し、改竄目的について「別の支出を宿泊費に付け替えて行政側に請求するため」との趣旨の説明をしていたことが18日、産経新聞が入手した録音記録から分かった。

 同社は、「不正取得の可能性は低い」と説明しているが、実態とは異なる宿泊費が請求されていた場合、行政側と同社の間で決定された除染事業の最終契約金額(契約当初の金額に、実際に掛かった費用などを反映させた最終精算金額)の妥当性にも疑義が生じる。

 同社は16日までをめどとしていた社内調査結果の公表を延期。新たな公表時期を「6月中の予定」とした。一方、環境省も独自の調査チームを設置。小林正明事務次官は「他のゼネコンの調査も視野に入れる」との方針を示している。

 改竄されたのは作業員の宿泊費に関する領収書。安藤ハザマは1次下請け会社の1社に対し、実際は作業員1人当たり1泊5千円を支払っていたが、領収書上は1泊5500~7500円を支払っていたように改竄。総宿泊人数も約1・5~2倍に水増しした。同社は改竄領収書を事業発注者の行政側に提出していた。

 9日の同社の記者会見での説明によると、福島県いわき市の除染事業の最終契約金額が決まったのは平成26年8月28日。同社社員が1次下請けに改竄領収書の作成を指示したのは9月1日だった。田村市の除染事業でも27年3月31日に最終契約金額が決まり、改竄領収書の作成指示は4月16日だった。1次下請けに作成させた改竄領収書は行政側に提出されていた。

 同社は「最終契約金額は改竄領収書に基づいて決まったわけではなく、先に決まっていた。最終契約金額の決定後に改竄領収書を作っても意味はなかった」とし、除染費の不正取得があった可能性は低いとした。

 これに対し、報道陣からは「無意味な改竄領収書をなぜ作成したのか」との指摘が相次ぎ、同社は「改竄理由や除染費の不正取得の有無は調査中」とした。

 しかし、1次下請け幹部と改竄を指示した安藤ハザマ社員らが4月に面会した際の録音記録では、同社側は「してはいけないことだと分かっていた」と認め、言い分を説明していた。

 録音記録によると、「改竄を指示した理由を聞きたい」と求めた幹部に対し、安藤ハザマ側は「領収書を取らずに支出していた営繕費や宿泊費などを埋め合わせるため、実態とは異なる領収書を作って対応していた」「行政側から請求額の裏付けを求められたときに備えて作った」などと説明。「領収書のない支出を、(領収書を自在に作成できた)宿泊費に付け替えて請求していた」とする趣旨の発言をしていた。

 公共工事では、最終契約金額は受注者と発注者の協議によって決められるのが一般的とされる。

 録音記録内の安藤ハザマ側の説明が事実とすれば、最終契約金額は改竄領収書の作成・提出を前提に決定されていた可能性があり、最終契約金額自体の妥当性に疑義が生じることになる。また、事後的にも作成できる領収書をなぜ作成しなかったのかについても疑問が残る。

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