門真遺体切断あす判決 否認の強殺罪、成否争点 大阪地裁、直接証拠なく(産経新聞)

大阪府門真市のマンションで平成27年、アルバイト店員の渡辺佐和子さん=当時(25)=の切断遺体が見つかった事件で、強盗殺人や死体損壊などの罪に問われた無職、森島(長田に改姓)輝実被告(31)の判決が30日、大阪地裁(柴山智裁判長)で言い渡される。被告は遺体の切断・遺棄について認める一方、殺害は一貫して否認している。求刑は無期懲役。殺害に結びつく直接証拠がない中、裁判員の判断が注目される。

 ◆「猟奇性」大きな特徴

 「涙も鼻水も止まらず、途中からは覚えていない。なんでそのままの状態で(遺体を)お返しできなかったのか、激しく後悔している」

 遺体を損壊した当時の心境について、森島被告は被告人質問でこう供述した。

 自身のマンションで渡辺さんの遺体をバラバラにしたうえ、圧力鍋でゆでたり生ごみ処理機にかけたりした。この猟奇性が事件の大きな特徴になっている。

 検察側は「証拠隠滅を図り、被害者の失踪を装う完全犯罪を企てた」と指摘。渡辺さん殺害の事実を隠すために遺体を損壊する必要があったとの見方だ。

 検察側は切断された遺体のうち、うなじや眉毛部分に鬱血痕がみられたとして、専門家の鑑定により死因を「頸部(けいぶ)圧迫による窒息死」と断定。病死や自殺をうかがわせる事情もないとした。

 被告の関与については(1)事件前に「人間解体」「死体の廃棄方法」など犯行を想定したキーワードでインターネットを検索していた(2)遺体発見後も119番せず、渡辺さんの携帯からなりすましのメッセージを送信する失踪工作を行った-などの状況証拠を挙げ、殺害も実行したと主張。門真市内のシェアハウスで27年8~11月ごろまで同居していた渡辺さんの名義を勝手に使って借り入れた約60万円など、返済のめどが立たない多額の借金の存在が動機になったとした。

 ◆隠そうとする性格

 一方の弁護側は、まず遺体を損壊した理由について「(渡辺さんの死が発覚することで)周りの人を悲しませたくなかったからだ」と弁明した。

 被告は母親の同居相手による性的虐待を受けて育ったが、母親を悲しませたくないとの思いから虐待を打ち明けることができなかったという。こうした生い立ちから、悲しい出来事(渡辺さんの死)を隠そうとする性格特性があると訴えた。

 渡辺さんの死因については「突然死か第三者の犯行の可能性を否定できない」と反論。自宅マンションに一緒に戻ったことは事実だが、被告は渡辺さんを残していったん外出、再び帰宅して倒れている渡辺さんを発見するまで「約15分間の空白」があったと主張している。

 またネット検索については、遺体を遺棄するシーンがあるドラマを見たのがきっかけだったとし、「被告はグロテスクなものが好きでネット中毒。検索は日常のことで、殺害計画と結びつけるのは飛躍だ」としている。また借金はあったが督促はなく、殺害してまで金を奪う動機はなかったと訴えている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする