バノン氏「北に軍事力使わず」 米政権と矛盾、差別問題でも孤立(産経新聞)

【ワシントン=黒瀬悦成】米ホワイトハウスのバノン首席戦略官兼上級顧問は16日公表された米左派系雑誌「アメリカン・プロスペクト」(電子版)とのインタビューで、北朝鮮情勢について「軍事的解決策はない」と述べ、北朝鮮の核放棄に向けて軍事力を行使する選択肢を否定した。

 「軍事的選択肢も排除しない」とするトランプ政権の立場と矛盾する発言で、最近のトランプ大統領による「人種差別発言」の問題などでホワイトハウス内部で孤立を深めるバノン氏に対する風当たりが一層強まる可能性がある。

 トランプ政権は「北朝鮮による核放棄」を最終目標に掲げ、現時点で北朝鮮への先制攻撃は否定する一方、米国の安全を脅かすような挑発行為に対しては軍事的選択肢をとると警告しつつ、外交・経済解決に向けて北朝鮮に国際包囲網による圧力をかけている。

 しかし、バノン氏は同誌に「(開戦から)最初の30分でソウルにいる約1千万人が(北朝鮮の)通常兵器で死亡するという難題を一部でも解決しない限り、(軍事的選択肢など)お話にならない」と一蹴した。

 トランプ政権の北朝鮮政策は、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)、ティラーソン国務長官、マティス国防長官を軸に策定されており、バノン氏は実質的に「カヤの外」に置かれている。

 ホワイトハウス当局者は保守系サイト「アクシオス」に「バノン氏は米国の安全保障を損ねている。最悪の事態だ」と語った。

 アクシオスによるとバノン氏は、南部バージニア州での白人至上主義者と反対派による衝突で、トランプ氏が人種差別を容認するかのような発言をしたことに対し、他のホワイトハウス高官が軒並み失望や嫌悪感を示したのに対し、バノン氏だけがトランプ氏の発言を全面支持した。

 トランプ氏はバノン氏について、自らの「中核的な支持基盤」である白人労働者層をつなぎ留めるカギと位置づけている。しかし、トランプ氏は一方で、ホワイトハウスの体制刷新のためケリー首席補佐官が起用されて以降、自らの地位が脅かされることを恐れたバノン氏が他の政権高官を中傷する情報を保守系メディアに流しているとの疑念を強めているとされる。

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